和音やコードに知識が全く無くてもピアノは弾けます。
でも、コードネームを覚えていた方が、他の楽器とのアンサンブルや伴奏のほか、初見演奏などときに即役立つので、クラシックの教則本や指の練習曲を一生懸命やるよりも、より実践的とも言えそうです。
このコーナーでは、基本事項を簡単に説明していきます。
基本の和音と音階
譜読みを速くしたり、初見演奏のためには「コードネームだ!」と思って勉強を始める人もいるかもしれませんが、主要なコードネームを覚えればいいというものでもありません。
いや、主要なコードネームを覚えれば、演奏や簡単な伴奏などもできますが、和音というのは、、それが単体で存在しているわけではないので、他の要素も合わせて習得したほうが得です。では、音階の確認からスタート!
音階から確認
音階はわかりますね。ドレミファソラシドというやつです。ここからは、ハ長調(C)で説明していきます。音階と和音の確認です。私作の下の図をご覧ください。
- ちょっとご注意
- ハ長調は白鍵だけで弾ける調ですが、別に全ての調の王様でもなければ、基本の調でもありません。だたの一つの調性にすぎないのですが、現実的には多くの人にハ長調がなじみすいと思うので、こちらもそれで説明をします。
音符の上に書かれているのが、コードネームです。このコードネームがどうやってつけられたかというのを、分かりやすく示すために、音符を下に各音の音名を書きました。CやDは英語名でドイツ名でBはH(ハー)です。ドレミというのは、イタリア呼びですね(まあ、フランスなんかでも)。
その下のローマ数字は、クラシックではよく使われる、音階と和音の番号みたいなものです。ドから1で順番です。
これでだいたいお分かりでしょう。和音というのは、音の上にさらに音を積み重ねたものです。ローマ数字1はドミソで、ド(C)の上に積み重なっているので、コードネームはCですね。ドとミの間隔はドを含めて数えると「ド・ド#・レ・レ#・ミ」と5個です。これがメジャーのコードです。
次のローマ数字2はレで、レファラ、コードネームはDといいたいところですが、Dm(ディーマイナー)です。レとファの間隔が、レを含めて数えると、「レ・レ#・ミ・ファ」となり、4個です。
音の間隔で、メジャーとマイナーやディミニッシュ・オーギュメントなどなどの種類があります。
そして、その調の中で、ローマ数字の1・4・5の和音が、主要三和音ということになります。ハ長調でいうと、C(ドミソ)・F(ファラド)・G(ソシレ)ですね。
和音とコードネームで楽に伴奏
和音とコードの非常に簡単な説明をしたとして、実際にコードネームを見て伴奏をつけるときに、どうやっているでしょうか。主要三和音を使って4分音符で、例えば下の伴奏譜例01のような伴奏があるとします。
こんな感じで、単純なメロディーにこんな感じで主要三和音の伴奏をつけている人はいませんか?初歩の教材などでも良く見るので、コードネームを見て伴奏をつけるというと、やってしまいがちです。
しかし、これはコードを反映しているとはいえません。今度はしたの伴奏譜例02を見てください。
おわかりだと思います。コードネームは根音に音を積み重ねですから、コードネームCならドを一番下にドとドミソ、Fならファを基に弾きます。
これが基本的な伴奏系であり、よくある初歩教材のような伴奏譜例01のような伴奏では、2小節目はFを根音としていません。和音で最も大切なのは基準の音=根音ですから、ファラドを展開して弾いてもいいのですが、そのときでも根音はファです。違う音が根音、例えばドを一番したのFだとF/Cとなるのです。
「そんなこと知っているよ!」なんて声が聞こえてきそうですが、クラシック系の教則本中心で、ずっとピアノを練習してきた人の中には、ちょっと勘違いしている人もいるかもしれません。事実、伴奏譜例01のような初歩教材伴奏から抜け出せない人というのは、思ったよりも多くいるものです。
あとは実践あるのみ
弾きたい楽譜にコードが書いてあれば、簡単ですよね。左手の伴奏が書いていなくて、メロディーだけの楽譜でも、コードがあれば問題なしです。ではコードが書いていなかったら?
それでも伴奏は簡単です。主要三和音のみでも伴奏はつけられます。初歩のピアノ教材を持っている人は、楽譜を見てください。左手の伴奏は、主要三和音だけの曲がたくさんあると思います。初歩や初級ものだけではありません。強引にやろうとすれば、ある程度の曲でも、主要三和音で押し通せます。
でも、メロディーに伴奏をつけたり、自分でコードを判定したり編曲したりといった、キーボードハーモニーを本格的にやろうと思う人は、できるだけ主要三和音から早めに抜け出すことをオススメします。そうしないと、なかなか他の和音を交えた奏法が、できなくなるのです。
和音を決めて、コードネームをつけていくという作業を効率よく、工夫のあるものにしてくには、本当は和声学や対位法などの知識も必要で、なかなか難しいものです。
しかし、一般的にはそこまでしなくても、その曲の調の和音と近親調(近くの調のことです。ハ長調ならハ短調やト長調やへ長調など)の和音をつかって、曲にコードをつけられます。
実践的に重要なのは、コードネームにすぐに手が反応して、和音を鍵盤上で弾けることです。Cと書いてあったら、考える間もなく根音をドにしてミソドやソドミといった感じで、パッと鍵盤を弾けることが、初見演奏などで役立ちます。ですから、毎日の初見練習とあわせて練習していくといいでしょう。